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雑談:世界のあちこちで、ローカルが元気だ

辻 信一


ローカルな商店や中小のビジネスが大打撃を受けるという悲劇的側面の一方に、今こそ、ローカル経済が世界中で大ブームになっているという明るい側面がある。ぼくたちはそこに賭けるしかないと思うんだけど、その際、マイケル・シューマンの存在の重要性が浮かび上がる。


マイケル・シューマン、みんな覚えてますか。去年11月の「しあわせの経済」国際フォーラムに来てくれた弁護士兼経済学者で、ローカル経済の論客として知られる一方、アメリカでは地域のソーシャル・ビジネスのサポートのために、具体的な方策を次々に打ち出すコンサルとしても活躍している


ぼくは、コロナ危機の下での彼の最近のブログを楽しみにしているんだけど、いちばん新しいのに出ている「近くの大好きな店の里親になろう」というアイデア。これが面白いので、早速、日本のソーシャルビジネスの先駆けである中村隆市さんに電話で話したら、これとほぼ同じことを中村さんも考えていた、と。それで、参考にと、英文のサイトをそのままお送りした。以来、何かが起こるのを楽しみに待っている。


何分にも英文なので、友ダチに教えたくても、ぼくも英語を訳してる暇がなくて…。たとえば、自分の生活にとって欠かすことのできない「The Third Place―家と職場に次ぐ3番目の場所」にあたる、地域の大好きな店があって、それが今、コロナ危機のためにピンチだとする。「ADOPT」する、つまり、「里親になる」というのは、それを救う方法の一つなんだけど、こんな感じ。


今、緊急事態宣言とか、外出自粛とかで、資金繰りに困っている店に、10万円を渡す。そのかわり、例えば13万円分のその店で使えるクーポン、あるいはギフト券(一番いいのは電子カードだろう)を受け取り、将来その店に行って何かモノやサービスを購入するたびに、値段の50%までをクーポンから出せる。こういうのが、一人からグループへ、さらに一軒の店からいろんな店へ広がってムーブメントになれば、とっても面白いことになるだろう。


実際に、「ホワイト・ドッグ・カフェ」で有名になり、やがて大きなローカルビジネスのアライアンスを作ったジュディ・ウィックス(マイケルの友だち)を中心にこうした動きがどんどん広がっている…。


ね、ワクワクするでしょ。メディアを通じてトランプのアメリカばっかり見せられてうんざりしている人には、特に。


と、いうようなことを考えていたら、ついさっき、若き友人でgreenz.jp副編集長をつとめるスズキコウタくんから連絡がきて、彼らも今、マイケルの記事を出すべく用意してくれているとか。



コウタ君曰く

「僕らは、最近、地方の空き家活用サービスの企業などとコラボレーションをしているのですが、ローカル経済は、むしろトレンドになりつつあります。 ローカルについてのオンラインイベントを開くと入場規制になってしまうぐらい人気です。記事も、ローカル経済を取り扱うと、かなりヒットしますね。他にヒットしているのがベーシックインカムとか、ギフト経済などなので、いわゆる従来型の消費経済からのトランジションに関心がある人は増えている実感があります。なので、マイケル・シューマンさんの記事も、現在準備をしているところです。」

そうか、やっぱり日本でも! ただし、おまけがあって、彼によると「エコ」と「サステナビリティ」はみんな驚くほどに無関心だとか。ま、いいことばかりじゃないよね。


ちなみに、greenz にさっき載ったばかりのサティシュの最近の素晴らしい記事、ぜひ読んでください。あと、ベーシックインカムとギフト経済についての記事も。


▶新型コロナウィルスは地球からの声。思想家、サティシュ・クマールは語る。

「この危機から私たちは何を学べるのか?」


▶生活費は国から永遠に支給? ベーシックインカム制度、ギフト経済、どうなるコロナショック後AI時代のお金と働き方

 
戸塚の舞岡公園にて。今年も桑の実がなっている

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