STAY Radical. 地球のこどもかい?-宮崎・藤岡亜美さんからの報告

最終更新: 6月6日

みなさん、いかがお過ごしですか? 都市部に暮らす人たちには、自然の中に身を置く時間は、もうしばらくお預けですね。

2月頭、カナダから若き環境アクティビスト、タモとミドリが日本にやってきました。1992年「伝説のスピーチ」をしたことで知られるセヴァン・スズキの甥と姪です。セヴァンの勧めで2人が訪れたのは、宮崎県の最南端、宮崎県串間市。家族6人と馬とで農的暮らしを営む藤岡亜美さんに、タモとミドリと過ごした素敵な時間をシェアしてもらいました。(事務局)



STAY Radical. 地球のこどもかい?

藤岡亜美 On a Journey that challenges their relationship to the Land And Those Who Call It HOME. 

なんでこの2人は、こんなに魅力的なんだろう。多分それは、とても「地球のこども」だからではないだろうか。カナダから来た、チリと日本、二つの細長い国の子どもたち。旅をすれば、コミュニティ規模のギフトになる。 自転車の旅で到着したばかりなのに、早速うちの味噌仕込みに巻き込まれ、のちに「Endless Beans」と名付けられた作業を一緒にこなしながら、2人がどうして今、兄妹で日本を旅しているのか聞いてみた。

タモ(左)とミドリ(右)

赤ちゃんのときから、お父さんのバックカントリーの背中におんぶされて山に行き、11ヶ月で雪の上にはじめて立ったプロスノーボーダー。なんと6ミリのウェットスーツを着て、極寒の海で波乗り。

...というエクストリーム兄妹の元は、冒険家だったチリ人のお父さん。


どのくらいの冒険家というと、タモが映画の中で、マイナス50度の中をハイキングしてるとき、シモヤケが辛いってお母さんに電話したら、ああ、お父さんはスキーにウンチがくっついて(凍ってるから臭くない笑)アイスピックで叩いても取れなくって、3日くらいくっつけて走ってたよと聞いて、大笑いしたそう。そのくらいの…. 仕事には毎日2時間かけて自転車で出かけて、2時間かけて帰ってきていた(笑)。そして、カナダからパタゴニアへの冒険の途中で、9年前に亡くなった。ミドリとタモが、お父さんとお母さんが自転車の旅をして出会ったのと同じ歳(まだ20代!)になった今年、彼らのルーツである熊本から、2人で自転車で、日本を南から北まで旅すると決めていたんだそう。 彼らは、リオの環境サミットで伝説のスピーチをしたあのセヴァンの甥っ子と姪っ子、そしてセヴァンとはちょっと違うスタイルで世界を動かす『Radicals』というフィルムを携えてきた。


「The Radicals」予告編(英語)


radical ラジカル 意味 A person who advocates complete political or social reform 完全な政治的、社会的変革を提唱する人、過激派
Meaning going to the origin to be rooted  根をはるために原点に行くこと

「The Radicals」は、タモが企画&製作、スノーボードとサーフィンの世界で活躍しながら、環境運動へと向かうアクティビストたちのフィルム。彼らはともに、カナダの西海岸で土地と文化を守る4つの先住民族のコミュニティを訪ねてゆく。 ダムによる生態系の変化で激減した在来のシャケを保護する人たち。水を汚染する魚の養殖池への反対運動。鉱山開発に反対する先住民族の人たちとの出会い。鉱山問題のさらに上流へと旅をして、スノーボードで思いっきり山を滑り降りるところが、私はとても好きだった。


風に揺れる赤い花や、ゆらぐ波の模様が、そのままハイダグアイの伝統の織りに変わる、映像のマジックも。アスリートたちが、ハイダ族の伝統的なものづくりの世界で、文芸復興の一端を担ってゆく。 放課後の子どもたちとカヤックで遊ぶ時間からも、未来が紡がれる。 雪や波を遊ぶアクションスポーツの世界で活躍しながら自然を堪能し、先住民族の長老から学んだ彼らが、子どもたちとアウトドアで過ごすこと、コミュニティや環境に対しての責任を、美しいフィルムに仕上げて表現すること。その3つをバランスするのが彼らの生き方であり、地球へのお返しの仕方だっていう。

Homeホームというのは、自分たちを守り、楽しませてくれるだけの場所ではなくて、何かをかえしていく場所、世代を超えて、つながっていく場所。それは「ラジカル」にでないと守れない。そこと根っこでつながって、楽しんでる人たちじゃないと,,,,

学校が突然休校になった地域の子どもたちとも、たくさん遊んでくれた2人は、海と森、自然の中で、身体を使って遊ぶ、ネイチャーゲームの天才。浜では、熊とシャケと蚊で闘ったり、イルカになって超音波飛ばしたり、みんなで手を繋いで一羽の鷹になり、目から爪まで神経を伝達するゲームに夢中に。

小さい子から大きい子まで一緒に楽しめる遊びに、みんな大よろこび。子どもたちは、お礼にだるまさんがころんだ、とはないちもんめを教えてた。卒業式の日は、式に参加できなかったコミュニティのメンバーが、窓の下からサプライズ。浜でランチして相撲を取って、幸島一周supで冒険。大きな洞窟に上陸もしてみたよ。


森では、森に落ちてるものを当てたり、待たせてる木を探す、ツリーハグゲームを教えてもらった。杉ばっかりの林(杉が激しく伐採されている宮崎の斜面を見ながら、森を使うアイデアってなんだろうとカナダの事例を聞く)が、雑木の大きい木の森に変わる頃、神社の入り口に行儀よくトグロをまいて座っていた綺麗なヘビに一緒に見とれた。

「ああ、あのヘビはいつもあそこに居て、多分神様」なんて、子どもたちがさらりというから、ちょっと驚いた。一番よくみるツワブキの草は、日本のパーマカルチャー草。畑のマルチにも火傷の薬にも、蜂の蜜源にもなる。その日は、夕飯のナムルになった。


今回彼らが行けなくなってしまった沖縄は、私のルーツでもあり、鶏飯ともずく天ぷらを作ったり、鰹節を削って昆布と椎茸からも出汁をとった。そういえば、椎茸を森で育てるのも、取れたカツオを里山の薪でいぶすのも、森に手入れしながら使う伝統だった。つまり日本の食は森とつながってる。




着物を着て、日本舞踊を習って、抹茶の後にタモがしてくれたマテ茶(ライフワーク的に興味のあるアグロフォレストリー)のセレモニーは、ひとつの世界みたいだった。すぐ隣の友達のもってる世界をのぞく(暮らしにまつわること教えてもらう)だけでとてもワクワクする。


そしてそこに行くのは、自転車で十分だった。タモとミドリは旅を続けて、3歳の末っ子は、毎日ストライダーを練習中です!


うみのこどもかい@幸島 https://www.facebook.com/uminokodomokai/

藤岡亜美

スローウォーターカフェ有限会社代表。ナマケモノ倶楽部共同代表。辻信一ゼミの学生時代からエクアドルで活動、東京都やetic.主催の社会起業家コンペで受賞し、フェアトレード企業を設立。とくにサリナス村とのチョコレートづくりは全国紙一面トップになるなど、カカオ市場、フェアトレード運動を牽引。エクアドル生産者に学び、森林農法や地域での環境教育を実践するため宮崎県に移住。ビジネススクールや大学の非常勤講師もつとめる。「友産友消」いいだしっぺ。

共著『日本のフェアトレー ド』『エクアドルを知るための60章』(明石書店)『9をまく』(大月書店)ほか。


インスタグラム amithesloth

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