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執筆者の写真offitcetsuji

2021年4月

ここ数ヶ月、ぼくが30年近くの間、使わせていただいた大学の研究室を引き上げるために、現役時代にもやったことのないほぼ毎日の"通勤"をした。今ではぼくの故郷とも言えるようになった舞岡公園の"里山"を見下ろす、おそらく、キャンパスで一番眺めのいい部屋だ。片付け始めると、毎日、思いがけないモノが現れては、ぼくにさまざまなトキを、ヒトを、コトを、思い出させてくれた。一番時間のかかる仕事である大量のアナログ写真のデジタル化は、学生や元学生が手伝ってくれた。


3月末、研究室とお別れの日、窓から撮った舞岡の森

この20余年、ぼくも関わらせていただいたフェアトレード運動のコーヒーをいれて飲む。そして、半世紀にわたって集めた(集まった)レコード、カセットテープ、CDの山を整理しながら、気と手が向くままに聴いてゆくという楽しみもあった。行きや帰りには、すぐ隣の舞岡の森へと降りてゆく。


冬は過ぎ、春がやってきた。音楽好きの元学生や友人たちが、気に入った本やレコードをもっていってくれた。またある友人は車を出して、オーディオ機器などの引越しを手伝ってくれた。最後に古本業もやっている環境活動家の友人が来て、残っていた本やCDなどを持っていってくれた。 研究室とあの窓に別れを告げ、「学びの窓」はノマドとなった。



空っぽになった部屋。「発つ鳥あとを濁さず」の爽快感

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